自由診療向けの電子カルテの選定にあたり、以下のようなお悩みをお持ちではないでしょうか。
「電子カルテを入れるメリットってなにがある?」
「電子カルテの種類が多すぎて選べない」
「自院に最適な電子カルテを手っ取り早く知りたい」
本記事では、そういったお悩みを持つ方向けに数ある電子カルテの中から厳選した「おすすめの自由診療向け電子カルテの特徴や価格」の解説を行っていきます。
電子カルテ選びに悩まれている先生であっても「自院に合った電子カルテ」を選んでいただけるように作成したので、ぜひご一読ください。
電子カルテ導入のメリット
ここでは電子カルテを導入するメリットについて解説していきます。
院内業務の効率化
電子カルテでは予約から受付、会計までをシームレスに管理することで、これまでばらばらになっていた業務を一元化し、効率化できます。また、予約管理や現在の受診状況、施術室の利用状況などを一覧で把握することで、最適な予約配分をすることができ「待ち時間の削減」につながります。
また自由診療のカルテは5年間、その他の記録は3年間保存する義務があるため、電子化することによって保管場所を確保する必要が無くなります。既に診療が終わった患者様でも、カルテが必要な時には素早くデータを呼び出すことが出来ます。
患者体験の向上
患者様にとってハードルとなるのが、初回受診の申し込みや問診、継続して受診する際の次回予約、そして診察券の管理です。
自由診療向けの電子カルテを利用することで、LINEやWebサイトから簡単に日時を選択して予約することが出来ます。またweb問診を来院前に行えば診察当日もスムーズに施術に移行できます。手書きの手間や受付時間の削減から患者様の満足度がより向上します。
またデジタル診察券の機能なら、当日診察券を忘れてしまったり、財布の中に入れて邪魔になったりすることもありません。予約の日時もオンラインで簡単に確認でき変更も容易なので、急な用事ができた場合でもスムーズに再予約が可能で足が遠のきにくくなります。
営業の効率化による集患の強化
自由診療の場合、患者様のリピート率を上げ定着させることが、収益構造の安定化として必須になります。
自由診療向けの電子カルテには、患者様の利便性を向上する様々な機能が搭載されています。上記のように予約機能やweb問診などの患者体験の向上はストレスを軽減し、リピート率の向上に寄与。また、予約日時のリマインドや、ステップメールの配信、キャンペーンなどのプッシュ通知など、メールマーケティングのような運用が可能な電子カルテもあります。
これらの機能を活用し、クリニック経営に特化した支援サービス、マーケティングシステムを運用することで、より経営強化の施策を打ち出しやすくなります。
自由診療向け電子カルテ基本の選び方
自由診療向けの電子カルテは、「自由診療に特化した電子カルテ」と「保険診療と併用して使える電子カルテ」の2種類に分類できます。クリニックがどのような状況なのかによって、以下のようにおすすめは異なります。
新たに自由診療のみ行うクリニックを立ち上げようとしている場合
この場合は、保険診療向けの機能は不要なため、自由診療専用の電子カルテがおすすめです。
新たに保険診療と自由診療を行うクリニックを立ち上げようとしている場合
この場合は、保険診療と自由診療とで併用できる電子カルテがおすすめです。
保険診療メニューとは別に、新たに自由診療メニューを作ろうとしている場合
現在、保険診療のみを行っており今後自由診療メニューを増やそうとしている場合は、「電子カルテを利用しているかどうか」で判断が分かれます。
電子カルテをまだ導入していない場合は、これを機に”保険診療と自由診療を併用できる電子カルテ”を選ぶと良いでしょう。反対に既に保険診療向けの電子カルテを導入している場合は注意が必要です。メーカーによって電子カルテのデータ形式が異なるため、新しいシステムへの移行が難しい場合があります。
その場合は、自由診療に特化した電子カルテを選ぶ他ありませんが、電子カルテのデータ移行が可能な場合は、併用できる電子カルテに乗り換えると、以後の運用がスムーズになります。
おすすめの自由診療向け電子カルテ比較表まとめ
項目 | 初期費用 | 月額費用 | おすすめポイント | 導入期間 | サポート |
---|---|---|---|---|---|
medicalforce | 500,000円 | 60,000円~ | LINEでの予約受付やリマインド、セグメント配信 | 2週間~ | 無料デモ、対面対応、電話、メール、有料サポート |
B4A | 0円~ | 30,000円台~ | B4A独自のリアルタイム予約機能で、予約とシフトが結びつき自動で施術を割り当て | 2週間~ | 無料デモ、対面対応、電話、メール、チャット、オンラインサポート |
キレイパスコネクト | 0円 | 40,000円~ | CRM機能が充実しており、再診率アップからのLTV(生涯顧客価値)の最大化が図れる | 2~3週間 | 無料デモ、対面対応、電話、メール、ヘルプセンター |
Medibase | 140,000円~ | 45,000円 | 予約、問診、保険対応など、必要な機能だけ契約できる柔軟な料金プラン | 数日~1か月 | 無料デモ、電話、オンラインサポート |
ACUSIS Cloud | 個別見積もり | 個別見積もり | 「WEB ORCA」による保険診療対応と、予約や診察券管理が出来る専用アプリ機能 | 1週間~ | 無料デモ、対面対応、電話、メール、オンラインサポート |
※キレイパスコネクトは「電子カルテ機能」無しで9,000円/月のプランがあります。
medicalforce|株式会社メディカルフォース
出典:株式会社メディカルフォース https://service.medical-force.com/
株式会社メディカルフォースのmedicalforceは美容クリニック、自由診療クリニックの業務・経営の全てを管理するクラウド型電子カルテです。WEB予約、来院管理、問診票、カルテ、会計、在庫管理、経営管理の機能が1つになったサービスです。
美容クリニックで働くスタッフへ徹底的なヒアリングからデザイン設計を行っており誰にでも使いやすい直感的なUIとなっています。業務フローに沿った操作画面でシンプルでわかりやすく看護師や医師の作業負担を軽減させることが可能です。またスマホ・タブレットにも対応しております。
クリニックの部屋・機器・スタッフの情報をマスター情報に登録することで、空き情報を自動で検出し、LINEやHPからのWEB予約も可能です。
予約情報に紐づいたQRコードから問診表の入力が可能となっており、患者様はスマホで予約から問診表の入力まで完了することができます。入力された情報は自動でカルテ、来院情報に紐づく為転記の手間やミスも減らすことができます。
またLINEとの連携に優れていて、予約受付、リマインドメッセージ配信、セグメント配信などをLINEを使って行うことが出来るので患者様とのコミュニケーションが取りやすいことも特徴的です。
B4A(ビーフォーエー)|株式会社B4A Technologies
株式会社B4A Technologies のB4A(ビーフォーエー)は、リアルタイム予約や電子カルテの機能をそなえた、自由診療クリニックのDXを実現するクラウドツールです。予約~決済まで、クリニック運営に必要な機能が網羅的に備わっています。
B4Aの予約システムとCRM機能は特許取得済。機能開発のスピードが速く、エラーが起きないことにも定評があります。
リアルタイム予約機能が特徴的で、患者様がウェブから空き状況を確認しその場で予約を完結することができます。スタッフの主導調整不要で人や機械、部屋が自動でアサインできるのでスタッフと患者様双方の手間の削減と、予約数増大に貢献が期待できる機能となっています。
CRMでは、リピート率改善の為に売上推移や各種情報を自動で蓄積し、可視化することでマーケティング施策の立案をサポートしてくれます。 例えばステップメール機能が搭載されており、患者様のステータスに合わせた内容を配信し来院を促せるようになっています。
またLINEとの連携機能も充実。予約受付だけでなく各種メッセージ配信が可能であり、LINEマーケティングツールとの連携もできるのが特徴です。
キレイパスコネクト|GMOビューティー 株式会社
出典:GMO Internet Group https://connect.kireipass.jp/
GMOビューティー株式会社のキレイパスコネクトは、自由診療クリニックの業務にかかわるすべてのシステムを管理できるクラウド型電子カルテです。予約システム・電子カルテ・会計・経営分析など、多岐にわたる自由診療クリニックに必要なITツールを一括管理できるところが最大の魅力です。
WEB予約とLINE予約の連携が可能となっており、LINEからの予約でも自動で予約表に記入されます。コース契約をしている患者様のコース消化回数や支払い状況等の管理もカルテ上で可能となっています。
カルテでは使用頻度の高い文章はテンプレート化して医師のカルテ作成の負担を軽減させるなど、かゆいところに手が届く機能も魅力的です。
料金プランが4つあることも特徴で、デジタル化の段階に沿ってプランが設定されています。例えば、まずは予約管理、次に電子カルテ、更にその次は経営分析をデジタル化、のようにデジタル化のステップアップに応じた料金プラン設定となっています。
ACUSIS Cloud|株式会社プロ・フィールド
出典:株式会社プロ・フィールド https://profield.co.jp/acusis/
自由診療に特化した電子カルテですが、こちらも日医標準レセプトソフト「WEB ORCA」と連携することで、保険診療にも対応可能。
予約状況、カルテ、会計について自費の自由診療と保険診療を把握しやすい構成になっており、皮膚科、形成外科、産婦人科、内科など、保険診療を主体としながら美容関係の自費診療を希望する患者様を増やしたいクリニックに適しています。予約管理、画像管理、メール配信、分析機能、在庫管理などの、自由診療向けの機能も一通り搭載しています。
今回紹介する電子カルテの中で、導入院数は最も多く650院以上(2023年4月現在)となっていることから事例が豊富にあることが魅力的です。
またオプションのアプリ機能が特徴的で、アプリで予約状況や次回予約日時の確認、来院リマインドなどを配信することができます。
Medibase|株式会社メディベース
出典:株式会社メディベース https://medibase.cloud/
株式会社メディベースのMedibaseは、業務を効率化し経営を支援する、自由診療に特化したクラウド型の電子カルテです。
見積書・契約書・概要書を作成することも可能で、電子サインにも対応しているのでペーパーレスを実現してくれます。
また日医標準レセプトソフト「WEBORCA」と連携することで、保険診療にも対応可能です。
必要なサービスを必要な分だけ契約することが出来るので、導入費用が比較的安価に収められます。また、必要に応じてLINEを用いた予約や来院リマインド自動配信、事前問診といった豊富なオプション追加も可能です。収入分析や入金・契約といった管理機能も備わっており、日々のクリニック業務をシステムから支援します。
「最初は最低限の機能だけでイイ」から「ワンランク上の電子カルテ」にステップできるものをお求めのクリニックにオススメです。
また、データセンターは安心の国内24時間の有人監視、万一のトラブルにも迅速に対応してもらえます。
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自由診療クリニックの電子カルテを選ぶ3つのポイント
自院で必要な機能を明確にしておく
1つ目のポイントは自院で必要な機能を明確にすることです。前述したとおり、自由診療向け電子カルテにはさまざまな機能があります。欲しい機能は基本搭載なのかオプションなのか、予約システムなどを外部機能と連携する必要があるのかなどもメーカーによって異なります。それぞれの製品についてしっかり情報を集め、自院のニーズにあう機能を持つ電子カルテを選ぶことが重要です。
運用サポート体制を確認
2つ目のポイントはサポート体制が整っているかどうかです。電子カルテの導入時はもちろんのこと、導入後にもトラブル対応などのサポートが必要な場面は必ず訪れます。
サポートの範囲はどこまでか事前にしっかりと確認しておきましょう。メーカーによっては電話やメールでの遠隔対応、訪問対応など対応の方法もさまざまなので、自院にあったサポートが受けられるメーカーを選ぶことをおすすめします。
集患機能の充実度
3つ目は集患機能の充実度です。集患に力を入れる場合には、特に重視したい機能です。単独で顧客管理が可能な機能が備わっているのか、それとも外部の顧客管理ツール(CRM)と連携させる必要があるのか、運営体制や規模と併せて確認しましょう。
複数のクリニックを運営している場合は、クリニック間の連携や、相互にデータをやり取りして一元的に顧客管理ができるかどうかも大切な判断基準です。
また、患者様に対してステップメールを送信して宣伝したり、キャンペーン情報などを自動配信したりする、宣伝機能も収益基盤の安定には欠かせません。自院のTwitterやInstagram、LINEなどのSNS連携機能も確認しておきましょう。
「medicalforce」のように、顧客管理に加えて患者様の属性別にセグメント配信ができれば、患者様によってアプローチを分けることができ再来院の促進が期待できます。また、「B4A」のようにSNSと連携し自院の公式アカウントへ配信する機能があれば、SNS経由の見込み客創出も期待できます。
自由診療向け電子カルテの特徴的な機能
書類作成機能
自由診療を行うクリニックでは施術の前に契約書や同意書を作成することが多くあります。これらを紙で作成する場合、どうしてもボリュームが多くなり管理に手間がかかってしまいます。書類管理機能があれば患者様ごとに書類をデータ化でき、業務の効率化やミスの防止につながります。なかには電子署名機能や、紙の書類をスキャンしデータ化できる機能を持つ製品もあるため、選定時に確認してみましょう。
画像管理機能
自由診療では患部の写真やシェーマを使用することも多くあるため、まとめて管理できる機能があると便利です。登録した画像を並べたり重ねたりすることで、施術のビフォーアフターを比較でき、患者様にとって分かりやすい説明が行えます。
データ分析機能
流入経路別分析、施術別キャンセル率集計、患者様の年齢や地域などの属性別売上などをグラフ化して可視化することができるので、患者様に合ったキャンペーン施策や、売上悪化の原因分析などができ、医院運営に役立てられます。
集患支援機能
現在の予約状況に合わせて部屋や担当が選べるweb予約システムや、LINE予約に対応することで手続きの手間が削減され、より来院数向上を見込むことができます。
また電子カルテによっては、施術コースの途中で来院がストップされた患者様に絞ってのメッセージや、誕生日の患者様に誕生日クーポンを配信し来院を促すなどのセグメント配信をすることも可能です。
自由診療で電子カルテを使う際の注意点
自由診療でもカルテ記載は必須
自由診療でも、保険診療と同様に、カルテを記録する必要があります。「医師は、診療をしたときは、遅滞なく診療に関する事項を診療録に記載しなければならない。」と医師法24条に定められている通り、自由診療の場合でも患者様のカルテを残すことは必須です。
「保険医は、患者様の診療を行った場合には、遅滞なく、様式第一号又はこれに準ずる様式の診療録に、当該診療に関し必要な事項を記載しなければならない。」
保険診療を行っていたクリニックが新しく自由診療を始める場合、自由診療と保険診療のどちらにも使えるタイプの電子カルテにするか、レセプト機能をオプションで追加する必要があります。
保険診療と分けてカルテを記録する必要がある
保険診療を行っている医療機関が自由診療を行う場合、それぞれのカルテを分けて記録することが求められています。医療機関が守るべき内容をまとめた「療養担当規則」で定められています。
「保険医療機関は、第二十二条の規定による診療録に療養の給付の担当に関し必要な事項を記載し、これを他の診療録と区別して整備しなければならない。」
診療の内容について疑問を患者様に感じさせないよう、丁寧に記録を残す必要があります。
各機能を使いこなせず活用できない
紙カルテと比べ使用しにくいと感じる方も一定数いるようです。画面における配置項目が業務に適さない場合やテンプレートを使いこなせない点が原因といえるでしょう。
その場合は電子カルテを導入する前に、デモや体験版で操作性の確認をすると良いでしょう。デモ版の操作で実際の挙動のイメージを把握したり、必要な機能が付いているかを確認することができます。また、遠隔操作などのサポートが充実した製品もおすすめです。操作方法が不明な場合に相談できる体制があれば、安心して運用できるでしょう。
集患支援やデータ分析などの多少専門的な知識が必要な項目もあります。もし電子カルテを使い予約管理などの業務効率化だけでなく売上の向上などを図る際には、web集患における分析から施策実施を支援、代行する「DX実行委員長」を是非ご検討ください。
自由診療向けの電子カルテを最大限活用するなら
『DX実行委員長』で電子カルテデータを用いた集患の最大化と業務効率化を実現
近年スマートフォン・SNSの普及により、生活者は様々な情報を基にサービスをじっくり比較検討するようになりました。また美容医療市場の拡大と共に競争が激化、そのため新規集患にかかるコストは年々上昇している傾向にあります。
新規集患が難しくなっている今、既存患者様のリピート率やクロスセル率を高くすることで既存の患者様からの収益を向上させることが非常に重要です。
『DX実行委員長』では、クリニックの課題に合わせた電子カルテの選定から導入後の活用支援や、これまで蓄積された顧客データを活用しての既存患者様からの収益増加、及び新規集患の最大化をご支援します。
まとめ
今回の記事では、自由診療クリニックの電子カルテに必要な機能や製品選びのポイントを解説し、自由診療向けの電子カルテを比較・紹介しました。
自由診療を行うクリニックでは契約書や同意書などの管理機能やシェーマや写真を管理する機能が役立ちます。また予約機能ひとつとっても実際に使ってみると各メーカー特徴があります。
事前にデモ版を利用するなどして、自院の診療内容や経営に合った最適な電子カルテを導入しましょう。