クリニック運営に関わる業務を管理・運営できるクラウド型のワンストップDXツール「B4A」について株式会社B4A Technologies 代表取締役CEO 植松 正太郎 様にお話を伺いしました。
他社には無い開発力とスピードが『B4A』の強み
B4Aとはどのようなサービスですか?
植松 クリニック運営に関わる業務を管理・運営できるクラウド型のワンストップDXツールです。院内のコスト管理やコスト削減、予約状況の管理、スタッフの勤怠管理など全てに対応しています。予約、電子カルテ、デジタル同意書や問診票、決済システムなどがオールインワンで入っています。
開発にあたって力をいれた点を教えてください。
植松 美容クリニックでいかに効率的に患者様を回していくかを考えたとき、予約が重要だと思います。人・部屋・機械といった院内に必要なリソースを繋ぎ合わせ、最適な予約枠を生成していくことに注力しました。人といっても、医師や看護師、カウンセラーなどクリニックにいる様々な職種のシフト調整も必要になりますし、スタッフ間のスキルのバラつきも考慮しました。そして、自由診療特有のカウンセリング、診察、施術をステップ毎にコントロール出来ることも重要ですので、特に力を入れました。例えば1時間枠で予約が入った場合、その予約に関連する人・部屋・機械をすべて1時間丸々押さえてしまうというシステムが多いのですが、B4Aでは、診察は診察室と医師、カウンセリングはカウンセラーとカウンセリングルーム、施術は看護師と施術室のように、ステップ毎に必要な時間分の人・部屋・機械を管理することができます。
B4Aは大手美容クリニックでも導入いただいているのですが、通常の美容クリニックで対応している仕組みでは足りない部分がありました。大手美容クリニックでは、1院あたり180程度のメニューがあります。皮膚科項目や外科項目、場合によっては審美歯科もあります。また、医師毎に価格が異なったり、手技によっても値段は異なります。そういったことに対応するために、追加で半年ほどかけて完璧に大手美容クリニックの要件に沿うような機能に改修をしました。B4Aは美容クリニック運営に必要な機能を網羅的に備えたツールになっています。
自由診療クリニックに特化したツールを開発しようと思ったきっかけを教えてください。
植松 自由診療クリニックについては、元々私自身がクリニックから依頼を受け、経営サポートや運営支援に携わっていました。実際にクリニックの裏側を見てみると、アナログな業務が多く、他の業界に比べてDX化が進んでいないことに気付きました。集客に力を入れているクリニックは多くありますが、集客後のお客様の予約の流れなどがもっとスムーズにできるのではないかと思い、自分たちで自由診療クリニックに特化したプロダクトをつくろうと思ったことがきっかけです。
B4Aの特長や強みを教えてください。
植松 電子カルテや予約のシステムを扱っているメーカーはありますが、電子カルテだけや予約システムだけなどから始めるところが多い中で、B4Aは最初からフルパッケージでシステムを開発しています。自由診療クリニック運営に必要なあらゆる機能が網羅的に備わっているのが特長です。また他社と比べたとき、弊社はエンジニアの数が多いところも特長です。そのため開発のスピードがとても速く、2週間に1回のペースで数十項目のリリースをしています。進化のスピードが速いだけでなく、エラーやバグが非常に少ないのもB4Aの強みです。安定性・堅牢性が高く、セキュリティーリスクもかなり低いシステムという自信があります。
機能性ですと、予約の部分は先ほど申し上げたような細かい調整まで自動で行われるB4Aオリジナルの「リアルタイム予約」システムを採用しており、かなり細かいところまで対応できるため、院内リソースの最適化と予約枠の最大化を実現することで売上アップに大きく貢献するシステムだという自負があります。1つのツールで分院の状況、経営状況をリアルタイムに確認できますし、既にクリニックで導入しているシステムとB4Aの連携も可能です。
開発スピードの速さが特長とのことですが、開発する機能についてはどのように取り決めていますか?
植松 大きく2つあり、1つ目はもともと弊社としてやりたいと思っていることをロードマップ化し、順番に開発をしています。
2つ目は、現在B4Aを導入いただいている150院を超えるクリニック様からいただくご要望です。随時、多数の要望があがってきますので、いただいている要望の中で要望の多いものや重要度が高いものを優先順位をつけ、順番に開発をしています。この2つを同時並行で開発を進めています。
『B4A』導入後、予約件数が2倍に
B4Aの代表的な導入事例やうまく活用された事例を教えてください。
植松 B4Aを導入したことで得られる効果として大きく分けて3つあります。
1つ目は「予約枠の最大化による売上アップ」です。例えば、従来のクリニックでは予約を電話やメールで受け、紙やホワイトボードで管理するといったように調整に時間と手間がかかっていたため翌日以降の予約しか受けられていませんでした。B4Aを導入することで当日来院の直前まで予約を受けることが可能になります。実際にB4A導入後、当日予約の件数が導入前の2倍になり、売上全体の15~20%を占めるまでになったという事例があります。
2つ目は「コスト削減」です。B4Aを導入することで、あらゆる業務をデジタル化でき、スムーズなオペレーションが可能になります。あるクリニックでは、B4A導入後スタッフの残業が5~6割も減少しました。
3つ目は「スタッフ満足度の向上」です。B4A導入クリニックのスタッフに満足度アンケートを行ったところ、8割以上の方から「B4Aを通じて働きやすくなった」「働くモチベーションが高まった」などの回答をいただきました。業務効率だけでなく、従業員のQOLも上げることができたと思います。
今後の展望をお伺いさせてください。
植松 自由診療クリニックのワンストップ型DXツールとして、予約やシフトの管理、問診票やカルテ、見積領収書などの電子化、そしてCRMや経営数字管理といったベース部分は網羅できるようになりました。今後はこのベース基盤の上に2階建て、3階建ての要素を乗せていくことが重要だと思います。
弊社は金融出身のメンバーが多く、金融と医療の親和性が高いため、今後は「決済」に力を入れていこうと考えています。まずは、オンライン決済をリリースする予定です。クリニックに行く前に、事前にオンラインで決済が完了しているので、キャンセル率を下げることもできますし、しっかりと収益化をしていくことができます。その後も、多くのリリース予定があります。最近では自由診療のクリニックも増えてきていますが、保険診療と比べると市場規模も小さいのが現実です。クリニック1つ1つに寄り添い、縦に積み上げていく事業を目指していきたいと思っています。
予約、電子カルテ、デジタル同意書や問診票、決済システムなどまとめてオールインワン