デジタル診察券とは?
デジタル診察券とは、患者様の診療履歴や医療情報を電子化して管理するシステムのことを指します。
従来の紙の診察券に代わり、電子機器で読み取ることができるQRコードなどで患者様の情報を記録します。
さらに、アプリの使用で受付業務がスムーズになり、業務効率化を図れます。
デジタル診察券を導入するメリット
デジタル診察券の導入には以下の5つのメリットがあります。
1. 医療情報の共有化
2. ペーパーレス化
3. セキュリティの向上
4. 予約や受付の簡素化
5. 患者様の満足度の向上
医療情報の共有化
患者様の診察履歴や検査結果などの医療情報をデジタル化し、医師や看護師、薬剤師などの関係者が共有できるようになります。
これにより、診療の効率化や医療ミスの防止につながります。
ペーパーレス化
デジタル診察券を導入することで、紙の診察券や診療記録などの書類を減らすことができます。
これにより、医療機関内の業務効率化や、医療廃棄物の削減につながります。
セキュリティの向上
デジタル診察券は、パスワードや暗号化技術を使用することで、患者様の個人情報や医療情報を安全に管理できます。
また、メーカーによってはバックアップ機能があり、万が一の場合にも情報の復旧も迅速に行うことができます。
予約や受付の簡素化
デジタル診察券は、予約や受付の手続きをスムーズに行うことができます。
患者様は、自宅から予約を行えるため、待ち時間の短縮につながります。
満足度の向上
デジタル診察券は、患者様にとって便利であるため、患者様の満足度の向上につながります。
また、診察の効率化や情報共有の改善により、正確で迅速な診療を受けることができるため、安心感も得られます。
以上のように、デジタル診察券の導入には様々なメリットがあります。
ただし、医療情報の保護や個人情報の管理など、慎重な対応が求められる分野でもあるため、導入には十分な検討が必要です。
デジタル診察券の種類とは?
クリニックに対するデジタル診察券の種類は、主に以下の3つあります。
・LINE
・Web
・アプリ
LINE
LINEでのデジタル診察券を導入することで、患者様は、スマートフォンで簡単に予約番号・待ち時間など確認することができます。
クリニック側は、ほとんどの場合、LINE公式アカウントを作成し、患者様にLINEで公式アカウントを登録してもらうことで、予約ができるようになります。予約したい日時を選択し、必要事項を入力するだけで、デジタル診察券が発行されます。
また利点として、LINEでのデジタル診察券を導入することで、患者様はいつでも予約ができるため、電話での予約がつながりにくい時間帯や、休診日などでも簡単に予約をすることができます。予約確認や変更、キャンセルもLINE上で行えるため、手間が省けます。クリニック側も、電話対応に比べて効率的に予約受付を行うことができます。
クリニックLINE予約システムは、患者様の利便性を高め、クリニックの受付業務の効率化につながるため、近年、多くのクリニックで導入されています。
Web
患者様にWebサイトにて会員登録していただき、マイページで診察券を表示させます。
LINEでのデジタル診察券に比べると、LINE公式アカウントを作る手間が省けることが利点として挙げられます。
また患者様側にアプリのインストールの手間がないことが特徴です。
近年、多くのクリニックがWebデジタル診察券を導入しており、患者様の利便性を高め、クリニックの受付業務の効率化につながっています。
アプリ
アプリでのデジタル診察券とは、スマートフォンなどのデバイス上で動作するクリニック専用のアプリケーションを通じて、予約を受けとることで、デジタル診察券が発券されます。
患者様は、クリニックアプリをダウンロードし登録情報を入力することで、簡単に予約を行うことができます。
クリニックアプリでのデジタル診察券を導入することで、患者様はアプリ上での予約やキャンセルができるため、手軽かつ迅速に予約ができます。また、クリニック側は、診療に関する情報やお知らせの配信、診療予約の管理などを効率的に行うことができます。そして、アプリを通じた患者様とのコミュニケーションがスムーズになるため、患者様のニーズに合った診療を提供することができます。
ただし、クリニックアプリ予約を導入する場合、アプリ開発や運用に関するコストが発生することがあります。
また、クリニックアプリをダウンロードするにはスマートフォンなどのデバイスが必要となります。
近年、患者様の利便性向上やクリニック受付業務の効率化を目的として、クリニックアプリの導入が進んでいます。
※メーカーによっては、デジタル診察券に予約機能がついていないことがあります。
今回紹介しているメーカーは、予約機能がございます。
デジタル診察券を提供するメーカーを選ぶ際のポイント
デジタル診察券を提供するメーカーを選ぶの比較軸として以下の2点があります。
・導入費用
・導入期間
導入費用
導入前にしっかりと比較検討し、診療所の状況に合わせた導入方法を選ぶことが重要です。
デジタル診察券の導入費用は、クリニックの規模や用途によって異なります。
初期費用が無料なメーカーもあれば、50万ほどかかるメーカーもあります。
その理由として、既存の電子カルテとの連携が可能なものや、電子カルテとセットになっているものなど、内容がメーカーによって異なるからです。
導入期間
デジタル診察券の導入期間は、クリニックの規模やシステムの導入方法によって異なります。
最短で即日からご利用できるものもあれば、2カ月ほどかかるメーカーもあります。
その理由として、デジタル診察券と電子カルテが備わっているものや、クラウド型アプリだけでデジタル診察券が発行されるものなど各メーカーによって異なるからです。
導入期間については、導入するシステムやクリニックの状況によって異なるため、事前にシステム提供会社に確認することをおすすめします。
デジタル診察券 提供メーカー おすすめ5選
デジタル診察券提供メーカー・サービスのおすすめは、以下の5社になります。
◎株式会社メディカルフォース / medicalforce ( https://service.medical-force.com/ )
◎株式会社EPARK / EPARK (https://epark.co.jp/information/1898)
◎M-SOLUTIONS株式会社 / デジスマ診療 ( https://digikar-smart.jp/ )
◎ハヤレジ株式会社 / Lacoon ( https://lacoon.life/ )
◎株式会社メッドスター / モバドク ( https://medstar.co.jp/app/ )
サービス名 /メーカー | 使用ツール | 導入期間 | 導入費用 | 備考 |
---|---|---|---|---|
株式会社メディカルフォース / medicalforce | LINE Web |
1〜2ヶ月 | 要問合せ | 新規開業の場合、最短2週間で利用開始できる。 |
株式会社EPARK / EPARK | アプリ | 1ヶ月 | 初期費用:無料 月額費用:15,000 円 |
アプリから医療機関の受付予約ができるため診察券を手元に置いてネットや電話で受付予約する必要がなく、家族の診察券も一括で管理ができる。 |
M-SOLUTIONS株式会社社 /デジスマ診察 | アプリ | 1ヶ月半 | 初期費用:400,000 円 月額費用:25,800 円 |
機器の設置、稼働開始時の立会いから、患者様への告知資料の原稿作成まで、導入に必要なご提案ができる。 |
ハヤレジ株式会社 /Lacoon | LINE | 即日ご利用可能 | 初期費用:110,000 円 月額費用:5,500 円 |
オンライン決済を含まないシンプルな運用であれば即日利用可能。 オンライン決済導入にあたっては、別途決済会社と契約が必要なため審査に一定期間を要する。 |
株式会社メッドスター / モバドク | アプリ | 即日ご利用可能 | 初期費用:無料 月額費用:3,300 円 |
デジタル診察券以外の機能も利用する場合費用が発生する。 ネット環境とQRコードを読み取るカメラがあれば、利用できる。 |
※各メーカーへの問い合わせでの情報です。
※2023年4月HP掲載情報
株式会社メディカルフォース / medicalforce
株式会社メディカルフォースのmedicalforceは美容クリニック、自由診療クリニックの業務・経営の全てを管理するクラウド型電子カルテです。WEB予約だけでなく、来院管理、問診票、カルテ、会計、在庫管理、経営管理の機能が1つになったサービスです。
株式会社メディカルフォースのデジタル診察券の特徴として以下の3点があります。
QRコード連携
患者様が来院された際に、デジタル診察券上のQRコードを読み取ることでチェックインが可能です。
これにより予約カレンダーからどの予約の患者様が来院されているかを一目で確認することができる他、受付番号が発番されるので、患者様のお名前を直接お呼びすることなくプライバシーに配慮した運営が可能です。
LINE連携
LINE公式アカウントからログインなしで予約を受け付けることが可能で、患者様は、LINEから次回予約の確認や過去予約の履歴を見ることができます。LINE公式アカウントを通してリマインドやステップ配信が可能です。
Web予約
クリニック側の日程調整の手間なく予約を受ける付けることができます。外部予約受付により患者様が予約空き時間を確認した上で日時を指定し、予約を確定します。予約サイトのバナーや配色等、クリニックに合わせて自由に変更できます。
上記以外の便利機能として、CRM/メッセージ機能があります。
配信タイミングを設定し、リマインドメールを自動送信できます。また、施術の経過日数に合わせた経過連絡やクーポン配信等、ステップ配信ができます。
※デジタル診察券を利用するには、電子カルテの導入が必要です。
株式会社EPARK / EPARK
株式会社EPARKのサービス(EPARK)は、会員数約4,500万人のEPARK(イーパーク)が運営する、日本最大級の医療機関検索サイトです。日本全国の美容クリニックや病院を対象に、患者様の受付履歴や診察履歴を管理するデジタル診察券や予約システムを提供しています。
株式会社EPARKのデジタル診察券の特徴として以下の3点があります。
EPARKデジタル診察券について
複数の美容クリニックや医療機関の診察券をアプリに登録し管理できます。
院内設置の受付用QRコードを読みこむ、または専用端末にスマートフォンをかざすだけで受付が完了します。
サービス内容 : 診察券管理 /治療履歴管理/お薬手帳/受付日リマインド機能/家族登録/クレジット会計
アプリで予約
登録したデジタル診察券からすぐに予約の操作が可能ですので入力する手間がなく便利です。
診察券をアプリに登録しておけば持ち歩く必要はなく、紛失する心配もありません。
さらに、年間の医療費もスマホの中にひとまとめにでき、医療費控除のe-Tax用申告ファイルも出力できます。
プッシュ通知
診察の順序が近づいてきたらプッシュ通知で患者様にお知らせします。
自動で通知するので漏れもありません。
M-SOLUTIONS株式会社 / デジスマ診察
M-SOLUTIONS株式会社のサービス(デジスマ診察)は、美容クリニックや病院を対象に、「M3デジカルスマート診察券」というアプリを提供しています。アプリを導入することで、後払いでお会計の待ち時間がなくなる後払いシステムや、24時間いつでも予約ができる予約システムの利用が可能となります。
M-SOLUTIONS株式会社の特徴として以下の2点があります。
独自アプリ
患者様の利便性向上を目的として、M-SOLUTIONS株式会社では独自のスマートフォン向けアプリ(デジスマ診療)を採用しています。アプリを使えば、一度登録した情報を本人が毎回使えるのはもちろん、家族登録もできるので家族の代行予約も簡単にできます。プッシュ通知されたクリニックからのお知らせを、雑多な通知に埋もれることなくキャッチできるのも独自アプリの利点です。
クレジットカード決済可能
アプリに登録したクレジットカードでキャッシュレス決済ができます。処方せん受け取り後、自動でお会計が完了します。
ハヤレジ株式会社 / Lacoon
ハヤレジ株式会社のLacoon(サービス)は、普段利用しているLINEアカウントから「Lacoon公式アカウント」を友だち登録するだけで、誰でも簡単に予約ができるLINE予約システムです。患者様の診察履歴を管理するデジタル診察券の機能も備えています。オンライン診療機能では、予約・予約管理だけでなく診察から決済まですべてLINE上で完結しできます。
ハヤレジ株式会社のデジタル診察券の特徴として以下の2点があります。
LINEだから簡単操作
クリニックのLINE公式アカウントは、必要なく、LINEでLacoonを友だち登録するだけでサービスが利用できます。
複雑な操作は一切なくLINEチャット上で、誰でも簡単に予約。
いつでもどこからでも、待ち状況の確認・予約のキャンセルなどもワンタッチで済みます。
また、LINE上で一度医療機関・患者様の情報を登録すれば登録情報が記憶されるためID・パスワードの入力不要でログイン可能ID・パスワードの管理も不要です。
パソコンからも簡単操作
予約枠の設定や年齢・性別・学年などによる予約制限などブラウザ上の管理画面で簡単に予約管理できます。
株式会社メッドスター / モバドク
株式会社メッドスター のサービス(モバドク)は、美容クリニックや医療機関向けにデジタル診察券アプリ『モドバク』を提供しています。患者データを共有できるインストール不要の無料アプリになっており、直感で操作でき、QRコード受付、Web問診票など患者様にとっても便利な機能を搭載しております。
株式会社メッドスターのデジタル診察券の特徴として以下の2点があります。
顔認証で救急対応
救急搬送時に意識がなくても登録したデータや病歴サマリーを顔認証で医療スタッフが共有し、迅速な救急医療を受けられます。
独自のポイント制度
おくすり・健診・検査・医療・介護書類の写真を撮ったり、カラダデータ(体重・血圧など)を記録すると10ポイントたまり、保険診療以外でご利用できます。
デジタル診察券を導入する際の具体的な流れ
1. デジタル診察券を導入したい旨を決定し、導入目的やシステム要件を明確にする。
2. デジタル診察券を提供する企業やシステムを検討する。
3. デジタル診察券を提供する企業やシステムに、導入希望の旨を伝え、提供内容や費用について相談する。
4. 必要な調査や検証を行い、システムやサービスが診療所の要件に合致するかを確認する。
5. デジタル診察券のシステム導入に必要な準備を進める。具体的には、導入環境やシステム仕様、操作方法、教育訓練の必要性などを考慮する。
6. 実際にデジタル診察券のシステムを導入し、テストを実施する。
7. デジタル診察券の運用に向けた取り組みを開始する。具体的には、診療所のスタッフによるシステム操作の習熟度向上や、運用上の問題点を解決するための対策の検討、システム利用者への情報提供などが挙げられる。
8. 運用開始後、デジタル診察券の活用状況を把握し、必要に応じて改善策を検討する。
以上が、デジタル診察券を導入する際の一般的な流れです。ただし、診療所によっては、導入するシステムの特性や診療所の規模や状況によって、上記の流れに加えて、さまざまな課題が生じる場合があります。
まとめ
今回の記事では、デジタル診察券の機能やメーカー選びのポイントを解説し、自由診療向けのデジタル診察券導入を提供しているメーカーを比較・紹介しました。
自由診療を行うクリニックでは受付から会計までの一連の流れをデジタル化することで、医療機関の受付業務の効率化を実現しています。また、スマートフォンアプリ上での待ち時間の確認や診療予約変更・キャンセルなど、患者様の利便性に配慮した機能が充実していることが特徴です。
自院の診療内容や経営に合った最適なデジタル診察券を導入しましょう。
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